【行政書士法から読み解く】私たちが目指すべき「行政書士像」とは?
「行政書士って、結局何を専門にしている人なの?」 そんな疑問を抱く方は少なくありません。代書屋、街の法律家、許認可のプロ……様々な呼び名がありますが、その本当の姿は**「行政書士法」**という法律の中に明確に記されています。
今回は、行政書士法の条文をガイドランナーとして、私たちが本来あるべき「行政書士像」について深く掘り下げてみましょう。
1. 第1条:その存在意義は「国民の利便」と「社会の調和」にある
行政書士法の目的を定めた第1条には、こう記されています。
「この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて国民の利便に資することを目的とする。」
ここで示されているのは、行政書士は単なる「書類作成の代行業」ではないということです。
- 国民(依頼者): 複雑な手続きから解放され、権利を守れるようにする
- 行政: 正確な書類が届くことで、事務がスムーズに進む
この両者の間に立ち、社会の歯車を円滑に回す「潤滑油」のような存在こそが、法が求める第一の姿です。
2. 第1条の2:守備範囲は「社会のあらゆる接点」
行政書士が作成できる書類は多岐にわたりますが、法的には大きく3つに分類されます。
- 官公署に提出する書類(建設業許可、飲食店営業許可など)
- 権利義務に関する書類(契約書、遺産分割協議書など)
- 事実証明に関する書類(実地調査報告書、図面など)
この広い業務範囲は、裏を返せば**「市民生活と行政・他者との接点すべてが、行政書士のフィールドである」**ことを意味しています。特定の分野に閉じこもるのではなく、社会の変化に合わせて常に新しい課題(ドローン、民泊、スタートアップ支援など)に挑戦し続ける姿が浮き彫りになります。
3. 第1条の3:代書から「代理」・「相談」へ
かつての行政書士は、言われた通りに書く「代書屋」というイメージが強かったかもしれません。しかし、現在の法改正を経て、行政書士の役割はより高度化しています。
- 許認可手続きの代理: 本人に代わって行政と交渉し、手続きを完結させる。
- 相談業務: 書類を作る前段階の、コンサルティングこそが重要。
法は、単なる事務作業者ではなく、**「法的な判断に基づき、依頼者の進むべき道を指し示すアドバイザー」**としての姿を期待しています。
4. 第10条:求められるのは「高潔な人格」
行政書士法第10条には、職業倫理についてこう書かれています。
「行政書士は、誠実にその業務を行うとともに、行政書士の品位を保持し、自律自戒して、行革の適正を図らなければならない。」
「品位」という言葉は抽象的ですが、これは依頼者だけでなく、社会全体からの信頼を裏切らないことを意味します。専門知識を持っていることは当たり前。その知識をどう使うかという**「高い倫理観を持ったプロフェッショナル」**であること。これが、法が求める最も根源的な行政書士像です。
結び:身近で頼れる「法のコンシェルジュ」
行政書士法を通じて見えてくるのは、**「国民に寄り添い、法的な知識を駆使して、社会の複雑な手続きをシンプルに変える専門家」**という姿です。
「どこに相談すればいいかわからない」 そんな悩みを持つ方にとって、最初に思い出してもらえる**「法のコンシェルジュ」**。それこそが、行政書士法が描く理想の姿であり、私たちが日々目指すべき到達点ではないでしょうか。
今回のまとめ:行政書士法が定義する「4つの顔」
- 利便の提供者: 複雑な手続きを簡単にする。
- 社会の潤滑油: 行政と国民の橋渡しをする。
- 戦略的パートナー: 代理・相談を通じて課題を解決する。
- 信頼の番人: 高い倫理観で社会秩序を守る。

