「主権」ということばの三つの意味について

👑 主権の3つの意味

意味説明例となる表現
1. 国家の最高決定権 (国政のあり方を最終的に決定する力)国の意思や政治のあり方を最終的に決定する権利や権威。現代の「国民主権」という場合、主にこの意味で使われます。「主権は国民に存する」(日本国憲法前文)
2. 統治権力 (国家が持つ支配権)独立して国民や領土を統治するための権利、つまり国家の支配権力の全体。立法権、行政権、司法権を合わせた、広義の「統治権」とほぼ同義です。「国の主権の及ぶ範囲」
3. 国家の独立性 (対外的な独立権)他の国から支配や干渉を受けず、国際社会において他の国々と対等である権利。主権国家

このように、「主権」という言葉は、誰が国を最終的に決めるのか(1. 国民)、実際に国を治める力(2. 統治権)、国際的に独立していること(3. 独立性)という、異なる側面で使われます。

例題【平成12年問6】
①「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」
②「政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。」
③「天皇の地位は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」
④「国民主権の原理は、国政が国民の厳粛な信託によるものであることを意味する。」
⑤「高度の政治性を有する国家行為は、司法審査になじまず、国会等の政治部門の、最終的には主権者たる国民の、政治責任において行われるべきである。」
のうち、「主権」という用語が他とは違う意味で使われているのは何番か?

答え
①③④⑤=「国政についての最高の決定権」の意味で使われている。
②=「国家権力の最高独立性」の意味で使われている。
ので、答えは②となります。